つい先日、ひょんなことから知人のエンディングノートの作成をお手伝い(アドバイス)することになりました。きっかけは、自分自身の「埋葬」方法について、「お墓の暗いところへ入るのはいやだ、、、海への散骨がいい」という話からです。
それだったら自分が死んだ後のことを、家族や関係する人に、自分が生きているときに意志をしっかり伝える、更に文章としても残しておいたらいいですよねとなりエンディングノートを作成することになりました。
エンディングノートとは、これまでの人生を振り返り、自分の考えや家族への想いをまとめて残しておくことを目的に作成する備忘録を指します。別名“終活ノート”ともよばれており、自分の死後、遺された家族が様々な手続きをする際に必要な情報を残すために使われることが多いようです。
経済産業省が2012年に発表した報告書によると、幅広い年齢層の人たちがエンディングノートの作成に関心を示していることが伺えます。
エンディングノートは、記載内容や形式などは一切決められておらず、自分の好きなように作成することができます。自分でノートを用意したり市販のエンディングノートを使用したり、ワードやエクセル、スマホのメモ帳などデジタルツールで作成されることもあります。ただ、自分の保有する財産や不動産について記載することも可能ですが、法的効力は一切ないため、遺言書のような使い方をすることはできません。一般的には「遺された家族へのメッセージ」や「自分の死後における様々な手続きを行う際に必要な情報」を記入しておくことが多いです。
エンディングノートに遺したい情報の事例として以下のようなものがあります。
◇基本情報 → 氏名、生年月日、現住所、本籍地、血液型、家族構成
◇これまでの人生の振り返り → 記念日リスト、思いでのアルバム、趣味、好み、こだわり
◇人とのつながり → 家計図、家族、親族、友人、知人、関係会社、団体、ご近所
◇手続き → 会員退会、会員権手続き、年金、健康保険、生命保険、損害保険、病院、PC・携帯電話・サブスクリプション
◇資産 → 預貯金、株式、不動産、住居、車、クレジットカード、ローン、税金、その他資産、人に貸しているお金
◇病気など → 看病、介護、死についての考え
◇死後 → 葬儀、納骨、埋葬、供養の希望
◇残された人へ → 遺言書の有無、感謝のメッセージ、形見分け、寄付
エンディングノートは、一度作成したからそれでいいわけではなく、定期的に見直す必要があります。時間がたてば残すべき情報も変化します。さまざまな経験を通して価値観も変化します。
私も以前作成し放置していたエンディングノートを見返すとやはり見返す必要性を感じます。友人知人の人間関係も変化したり、看病、介護、死との向き合い方、家族や大切な人への想いとメッセージ、埋葬方法の希望など・・・大きく変化していました。
人は平等に死にますが、それがいつかは誰も予測はできません。何十年後か、明日か・・・生きているときに自分の死に向き合うことは「生」を活かすことにつながると感じます。自分のこれまでの人生を振り返り、家族や人とのつながりを整理して書き留めると自分がどれだけたくさんの人に支えられてきたか「感謝」の気持ちが産まれますし、今の資産や契約関係を整理しておくことで残された家族が事務的な作業の量も少なくすみます。
エンディングノートの作成は自由ですが、4割以上の人が作成済、もしくは作成したいと考えている理由はそこにあるのではないかと思います。どのような情報を整理して書き留めればよいか悩む人は、市販のノートもいろいろなタイプのものが販売されていますので一度見てみるのもいいかもしれませんね。