ある日の子どもとの会話
子ども:「好奇心」って何?
私:知らないことや、やったことが無いものに関心や興味を持つことだよ~
子ども:関心ってなに?
私:今の君みたいに「関心」ってどんな意味だろう?知りたいって思うことだよ。
子ども:どうして知りたいって思うんだろう?
私:どうしてだろうね(笑)きっと・・・続く
最近の我が家の三男と私の会話のよくあるパターンです。夫婦の会話で分からないことがあると会話に入り、「どういう意味?」「どんなこと?」「なんで?」「どうして?」と質問してきます。我が家の三男に限らず多くの子どもに「どうして?」を繰り返す時期はみられると思います。
知らないことを知らないと認識し、知りたいという欲求を素直に表現することはとても大切だと思いますし、知識を得るための根源的な欲求であるがゆえに人生に及ぼす影響は大きいと感じます。「好奇心」が人それぞれの人生を創造していく根源といっても言い過ぎではないように感じます。
「好奇心」ありますか?
好奇心はありますか?
好奇心は早くも4歳ごろから衰え始めるそうです。人間成長するに従って知っていることも増えていくので、得た知識や思考習慣に依存することも大人になるということかもしれません。それらの知識や思考習慣に疑問を持たなくなり、知識を増やしたり、思考習慣を見直すことがなくなると、しだいに多くの固定観念に縛られるようになる。それが「好奇心」を持たなくなるということではないでしょうか。
大人になって生きるために必要なことが身に付くと学ぶ努力をやめる人がいる一方、子どものように「好奇心」を持って夢中で探求し続ける人もいます。レオナルド・ダ・ビンチはノートにすべきことのリストを書き残しています。好奇心は多分野、広範囲に及び、彼の残した功績から考えてもベースはこの好奇心にあったと納得できます。
【レオナルド・ダ・ビンチのTo Doリスト(一部)】
- ミラノと郊外の町を測量する。
- ミラノとその教会について論じた本を探す
- 算術の大家に三角形の旧跡法について教えを請う
- ミラノの絵を描く
- マエストロ・ジアネットの石弓を詳しく調べる
- 太陽までの距離について教えてもらう
変化が激しく、その移り変わりのスピードも速く予測が難しい今の時代、何が役に立つかは誰にも予測できません。幅広い分野に好奇心を持ち、一見無駄に感じられる幅広く深い知識を得ることが将来役に立つかもしれません。
好奇心が産み出すもの
好奇心から生まれる知識への欲求は、知識を得るにとどまらず、得た知識から更に深く広く好奇心を産出し創造性を産出していくと思っています。アメリカの哲学者ジョン・デユーイは、好奇心の3つの段階をこう記しています。
- 第一段階:周囲の世界を探検したいという子供時代の欲求
- 第二段階:子供たちは他人が身の回りの物事に関する貴重な情報源であることをしり「どうして」という質問を繰り返すようになる
- 第三段階:好奇心は観察と情報の蓄積から生じる疑問に対する興味へと発展する。個人とが外界との結びつきを強める力となり人生経験をよりゆたかにしてくれる。
私の友人でも好奇心旺盛な人がいますが、共通するイメージはこのような感じでしょうか。
- 疑問がよく生まれる
- 常識にとらわれていない
- 行動力がある
- 情報や知識量が豊富
- 忍耐力・集中力がある
その結果、好奇心旺盛な人はチャンスをつかみ、仕事で評価されていますし、自信がありコミュニケーション能力が高いように感じます。
マネーバランスの相談で「好奇心」が産み出すものはなんでしょうか?ライフプランを持ち、家計管理や資産管理を通じて、手段としての金融知識が増え、選択基準が明確になっていきます。そうなると可能性や選択肢が増え、「やりたいこと掘り下げて追及したい」など好奇心が掻き立てられるようになる。その好循環が産まれ、ゆたかな人生へとつながっていきます。
好奇心を育む
では「好奇心」を育み、持ち続けるにはどうしたらよいのでしょうか?明確な答えはありませんが、私なりに考えると以下のような思考習慣の積み重ねが好奇心を持ち続ける方法なのではないかと思います。
- とりあえず何かやってみる
- 疑問を持ち、なぜかと深く問う癖をつける
- 常識や自分の固定観念にとらわれない
- 自分の中に知識のデータベースを構築する
- 自分の素直な気持ちを大切にする
- 答を探し続ける
自分の将来への好奇心
マネーバランスドクターに相談を依頼される方の動機は、「自分の将来への好奇心」だと思います。自分のゆたかな将来設計のためにどうしたらいいのか分からない、今の自分ではできないことを認識し、「好奇心」を持った結果ではないでしょうか。その「好奇心」は知識を呼び込み、その知識はまた「好奇心」を産出します。「知らないこと」を認識できるからではないでしょうか。可能性を感じることができるからではないでしょうか。変化が速く、将来を予測することが難しい世の中だからこそ、「好奇心」をもって相談し、自分自身の人生を創造していきたいですね。
(一部引用:子どもは40000回質問する イアン・レズリー 光文社)